2008年03月25日

「雪見だいふく」はなぜ大ヒットしたのか 77の「特許」発想法 著者/重田 暁彦

昨日の続き

◎内容抜粋
『最初のテープレコーダーをめぐるソニー創業秘話』
音を記録する方法の一つにテープレコーダーがあります。デンマークのポールセンという人が、鉄線の上に磁気を利用して音を記録する方法を考え出したのが最初といわれています。1898年のことです。「テレグラホン」と名づけられ、1900年のパリの万国博覧会に出品し、好評を博したそうです。その後は、映画のトーキーや軍隊の通信用に実用化され、1930年頃には鉄線ではなく、鉄帯を用いたものも登場しました。 日本でも、安立電気株式会社が鋼鉄線を使った磁気録音機を開発し、放送用に利用されました。レコードとは違って録音したり、音を消去したりできるので、大変重宝に使われたようです。しかし、鋼鉄線を使っていたため、重くて持ち運ぶわけにはいきませんでした。 そこで、記録媒体に紙を使う研究が進められ、1935年、ドイツのフロイマー博士が紙テープの上に鉄の粉を塗ったものを使用した録音機を完成させ、「マグネトフォン」と名づけて売り出しました。 日本でも1950(昭和25)年に磁気テープ式の録音機(テープレコーダー)が開発されました。当初は、紙の種類の研究や磁気鉄粉を作る方法に苦労したそうで、磁石を砕いて粉にして、紙の上にご飯粒でくっつけたなどという話も残っています。今のソニーが、東京通信工業(東通工)と名乗っていた頃の話です。 やがて第二次世界大戦が終わり、アメリカではドイツの技術を取り入れた紙テープ式のテープレコーダーが大量に作られ始めました。これが日本にも、輸出されてきたのです。この時、東通工(ソニー)は、このアメリカのテープレコーダーを横浜の倉庫に止めさせ、上陸させませんでした。東通工の持っていた特許136997号を使っている、という理由で輸入を差し止めさせたのです。 この特許は、「交流バイアス方式」といわれる、テープレコーダーの録音に関する基本的な技術で、磁気録音の媒体の記録歪みを無くすため、音に交流の電圧を重ねて録音するものです(この特許以前は直流で電圧をかけていました)。これは、東北大学の永井健三博士と安立電気の五十嵐悌二、石川誠の三氏によって発明されたものです。1938(昭和13)年3月14日に出願された「交流をバイアスとせる磁気録音方式」で、1942年に特許になりました。発表当時は世界から注目されませんでしたが、この安立電気の特許に注目したソニーが譲り受け活用したわけです。その当時のソニーのテープレコーダーは、お世辞にもアメリカのものより性能が良いとはいえず、世の中で売れる製品の開発までにはまだ間があったのですが、この特許のおかげでアメリカの最新商品の輸入を止め、技術開発を進める時間を稼ぐことができたのです。「人の褌で相撲を取る」とは正にこのことですが、しかし、これができたのも、創業期からソニーが持っていた「技術を評価する眼」の確かさゆえといえるでしょう。(P18〜P21)

明日へ続く

posted by 管理人 at 07:00| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | ビジネス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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