2008年03月24日

「雪見だいふく」はなぜ大ヒットしたのか 77の「特許」発想法 著者/重田 暁彦

《かつてソニーが東京通信工業と名乗っていた時代、アメリカ製テープレコーダーの上陸を阻止した「交流バイアス方式」という特許とは?! 「Suica」と「PASMO」を実現させたソニーの特許「反射型送信装置」とは?! カーナビの特許は1920年代、大正時代に既に存在していた?! 三菱の「クリーンヒーター」は、その商標を認められるまでに6年の歳月を要したのはなぜか?! エイズの検査薬の特許を巡ってアメリカとフランスで争われた事情とは?! アメリカのスペリーランド社がコンピュータ関係で所有する、史上最大・世界最大の特許とは?! アメリカ第16代大統領リンカーンが取得していた船に関する特許とは?! 「著作権」「特許」「実用新案」「意匠」「商標」。これらの総称である「知的財産」についての様々な知識やエピソード、歴史をレオナルド・ダ・ヴィンチの時代から現代までに渡って紹介するあなたの知的好奇心を鷲掴みにして離しさない一冊です!》

「トウキョウトッキョキョカキョク」 皆様よくご存知の早口言葉ですね。まあ、実際には東京特許許可局なる名称の役所は存在しないそうですが、つまりは今回紹介いたします本のテーマは「特許」というわけです。

いえ、より正確には「知的財産」というべきでしょう。私も本書を読むまでは知らなかったのですが、知的財産イコール特許ではないのだそうです。知的財産には、文学や美術作品などの「著作権」と、「産業財産権」と呼ばれる主に企業活動に関わる権利があり、ここに「特許」「実用新案」「意匠」「商標」などが含まれている、と本書の前書きで述べられております。

ちなみに私が「特許」とか「知的財産」だとか「商標」の存在を認識したのは、中学一年生の時です。 そのきっかけは、当時愛読していた在日フランス人ポール・ボネ氏の著書、『不思議の国ニッポン』シリーズで、とあるノーパン喫茶が店名に『ニナ・リッチ』の名称を使用していたところ、それが来日した当のニナ・リッチの社長の知るところになり、抗議だか訴訟だかを受けて、その店名を取り下げたというエピソードを紹介していたのですが、そこでそのノーパン喫茶の店長が「この名称を使っていけないとは知らなかった。有名ブランドの名称を店名に使用している店は他にもたくさんあるのに」という弁解に対して、ボネ氏が「無知の謗しりを受けてもやむを得ない」という感じの批判をしていましたが、実は恥ずかしながら当時の私もこのノーパン喫茶の店長と同じく、「商標」について全く無知でして、ある「商標」を勝手に使ってはいけないことをこの文章を読んで初めて知った次第です。

まあ、当時の私はド田舎の中学生だったわけですからそんな無知も許されると思いますが。他にもボネ氏はその著書シリーズ中にて、自分の名前である『ポール・ボネ』をネクタイの商標として使用させて欲しいという話を某メーカーから持ちかけられて、「来日以来、最大の珍事」と驚き、戸惑い、結局恥ずかしくて断ったというエピソードや、日中関係(その著述時期からして1970年代末から1980年代前半)を論ずる際に、自身の本業が貿易商であることからビジネスを引き合いに出して、「法治国家でなければ特許を守らないから、自動車やテレビを輸出してもコピーのための一台で終わりである。

だから私は対中国ビジネスには興味がない」と、ビジネスルールを守らない中国を冷淡に斬り捨てたりなど(なお、「」中の文章については、記憶を頼りに再現しているため、実際の文章を一字一句完璧に再現してはいないのですが、ボネ氏の主張はおおよそ以上のようなものであったことには間違いはありません)、いやぁ〜、ボネ氏の著作で無知な田舎少年だった私は世の中のこてについて随分勉強させていただきました(いえ、現在だって様々な点で無知で不勉強な点は多いのではありますが……)。

あっ、いけない!毎度のことながら話が逸れ勝ちですねぇ。そうそう、特許がテーマの本書についてですよね。 本書は、特許だの知的財産だのをテーマにしてはいても、決して堅苦しいものだったり、小難しいものだったりするわけではありません。以前、当インテリジェンスで紹介いたしました『誰が本当の発明者か』(著者/志村幸雄)と同じように、私たちの身の回りにある様々な商品や科学技術等の発明から商品化するまでに関するエピソードや疑問、開発秘話などの面白雑学本と解釈いただければよいかと思います。

DVDやカーナビ、コンピュータや電子マネー、カードの生体認証といった先端技術から、花王の入浴剤『バブ』や洗剤『アタック』、パソコンが普及する以前には製版・印刷に重宝された理想科学工業プリントゴッコ。ビールの美味しさを作り出す「酵母濾過システム」や、さらにテレビや乾電池を発明したのが日本人であるというエピソードや、さらにはビールの友のオツマミ、なとりの珍味『チーズ鱈』や、アイスモナカ、プリンスメロンや亀の子たわしにまつわる特許や商標の話。

そして本書のタイトルとなっている「雪見だいふく」の秘密など、楽しみながら経済について学べる一冊です。

明日へ続く

posted by 管理人 at 07:00| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | ビジネス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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