2011年03月31日

セーラが町にやってきた 著者/清野 由美

昨日の続き

『欧米人で初めて「利き酒師」に認定される』

小布施で時を重ねるうちに、彼女は自分の内部に、日本の暮らしが持つ伝統、蔵元が体現する文化への深い愛着と理解を着実に育んでいた。

そのきっかけを辿ると、入社した年の冬に、酒蔵で仕込みの体験をした一日に行き着く。その直前に利き酒大会に出ていたセーラは、酒蔵見学の前後から、利き酒師の資格認定を目指し、独学で勉強を始めていた。

「日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会」が主催する「利き酒師呼称資格認定試験」はペーパーテストを中心に、日本酒の歴史、原料、醸造、保存管理法、味や香り、料理との相性など、幅広い知識を網羅する。

たとえば日本酒の歴史に関する設問に「魏志倭人伝」「律令制度」「延喜式」などの“日本史用語“が登場するテストは、日本語を母国語とし、日本の生活史を肌で知っている者にとっては、独学でも決して困難な内容ではない。

だが、アメリカで生まれ育ったアメリカ人にとっては、相応の努力が必要なことはいうまでもない。

資格試験の勉強を続けていた入社翌年の夏には、すっきりと浴衣を着こなした着付け教室の先生の佇まいに感銘を受け、自ら教室に通って着物の着付けもマスターした。

この頃から着物の美しさに加え、日本の古美術、骨董にも関心はどんどん広がっていった。

利き酒師の試験を受け、合格したのは同じ年の秋。

翌96年の正月には、晴れて欧米人で第一号の利き酒師に認定された。

しかし、セーラはこれらの行動の動機を「資格が目標ではなかった」と強調する。

明日へ続く


posted by 管理人 at 00:00| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 文化 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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