2011年03月05日

ラバウル温泉遊撃隊 著者/山崎 まゆみ

昨日の続き

私は、今回の聞き取り意図を説明した。

「温泉」と言葉にした途端に、人の良さそうな顔の丸山さんが、急に険しい表情になった。

丸山さんは第一声に、「あのねえ、話を聞きに来るのが20年遅いよ!」そんな言葉を私にぶつけた。

「もう、仲間は死んどるよ」名古屋独特のイントネーションを訛りを含んだ言葉で、そんな風に私に告げた。

私も、そのことはもう痛いほどわかっていた。

(中略)

「私がラバウルへ最初に行ったのは昭和18年6月。開戦から1年半でラバウルへ行った。まだ、その頃は、ラバウルは平和そのものだった。ちょうど、ガダルカナル島(以下、ガ島)で激戦をして、ガ島から38師団が引き上げてきた頃だった。私は、18年6月20日過ぎくらいから、カビエンへ行くまでの準備期間にラバウル航空隊の兵舎にいた。その頃、誰も世話してくれる人がいなくて、居候の身分だったからシャワーも浴びる事ができなかった。ほとんど毎晩、散歩がてら歩いて温泉へ入りに行った。ラバウルの海軍の人たちは兵舎にお湯の出るシャワーや自分の家もある。花吹温泉のように海水混じりで塩を含むベトベトな湯は、入ってもさっぱりしないから、海軍の人らは温泉よりお風呂やシャワーを使っていた。温泉に脱衣所なんてないよ。温泉ったって塩水でしょ。ほとんど、海水浴だった。真水を頭からかぶった方がはるかにええで」そしてこう付け加えた。

明日へ続く


posted by 管理人 at 00:00| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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