2011年02月20日

塩の文明誌〜人と環境をめぐる5000年 著者/佐藤 洋一郎

昨日の続き

『製塩は森林を破壊した』

塩と文明の関係は本当に複雑だ。

「製塩」という、文明の維持には不可欠の行為が、実は大問題だったのである。

製塩には、多量のエネルギーが必要である。

具体的には、岩塩であれ海塩であれ、採塩には多量の薪が必要である。

律令時代の東大寺や西大寺の記録には、保有する塩田のほか、「塩木山」とか「取塩木山」などの記述があると岸本氏は述べている。

つまり、製塩用に薪を取るための森が必要だったというのだ。

9世紀中葉の東大寺領では、塩田が60・5ヘクタールに、「塩山」が71・3ヘクタールあったという。

小さな地域を賄うだけならそれほど大きな「塩木山」は要らないだろうが、製塩産業が巨大化し、またある地域の製塩が広い域を支えるようになると、そのための森林伐採もばかにならなくなったことが想像される。

製塩が森林を破壊したと思われるケースは枚挙にいとまがない。

日本でも、製塩の中心地であった瀬戸内地方では、塩田の向背する森林は伐採が繰り返された。

明日へ続く


posted by 管理人 at 00:00| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 世界史 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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