2011年02月15日

塩の文明誌〜人と環境をめぐる5000年 著者/佐藤 洋一郎

昨日の続き

『野生動物の塩場』

塩は生命維持に欠かせない物質である。

当然、それは野生動物も同じだ。

肉食動物の場合は、餌となる草食性動物の血や肉から、ある程度の塩分をとることができる。

それでは草食性動物はどうするのか。動物は、水を飲む水場の他に、塩を補給する塩場を知っていて、定期的にそこを訪れては塩分を補給している。

岩塩を産出する土地ならば、塩の確保はそれほど難しくはない。

しかし、日本列島を含む世界の多くの地域には岩塩がほとんどない。

ところが、日本には温泉がある。

温泉の中には塩分を含むものが相当数あるので、野生動物はそこから生命維持に必要な食塩を手に入れているのかもしれない。

現在、日本の各地で野生動物が里に下りてくることによる作物や樹木への被害が拡大している。

その原因のひとつに、塩場の問題があるのではないだろうか。

現代に生きる彼らの塩の補給源は、案外、人間なのかもしれない。

食べ残しの食料ばかりか、戸外に置きっぱなしの化学肥料や厩肥など、塩分を含む物質は里の周囲に、思いのほか豊富にある。

寒い地方の道路脇に置かれた融雪剤も、春以降は彼らの格好のターゲットになっている可能性がある。

これらはさしずめ、現代における塩場になっているのではないだろうか。

明日へ続く


posted by 管理人 at 00:00| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 世界史 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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