2010年10月27日

海の都の物語〜ヴェネツィア共和国の一千年 著者/塩野 七生

昨日の続き

強大な軍事力を背景に問答無用の威圧をかけてくるナポレオンに、狼狽し、再軍備も進められないまま、遂にヴェネツィア共和国の議会は、ナポレオンに対し、戦わずにして降伏することを議決し、1797年をもってヴェネツィアの1000年を超える自由と独立の歴史は終焉したのです。

ところで皆さん、この晩年のヴェネツィア共和国って、現代の、我が国に、何か似ているとは思いませんでしょうか?

全く同じとまでは申しませんが、「平和主義」の理念を謳う憲法に呪縛されて、物質的には武装してはいても、精神的には「非武装」化されていて、「軍事力に頼ることなく、外交的努力によって平和を実現すべきだ」という空理空論を唱える輩が大手を振って歩き、外国からの無理難題への対抗手段を自ら封じてしまっていている我が日本国にです。

平和ボケした晩年のヴェネツィア共和国の、武力の裏付けを持たない外交は、ヴェネツィアを守ることができませんでした。塩野七生女史の綴った、ヴェネツィア共和国の興亡の歴史は、遥か昔の遠い異国の物語などではなく、私たち日本人の現在と未来についての警告の書なのではないかと私は感じます。〔新潮文庫〕



塩野 七生
1937年7月7日、東京生まれ。学習院大学文学部哲学科卒業後、イタリアに遊学。1968年に執筆活動を開始し、「ルネサンスの女たち」を「中央公論」誌に発表。初めての書き下ろし長編『チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷』により1970年度毎日出版文化賞を受賞。この年からイタリアに住む。1982年、『海の都の物語』によりサントリー学芸賞。1983年、菊池寛賞。1992年より、ローマ帝国興亡の歴史を描く「ローマ人の物語」にとりくむ(2006年に完結)。1993年、『ローマ人の物語I』により新潮学芸賞。1999年、司馬遼太郎賞。2002年、イタリア政府より国家功労章を授与される。2007年、文化功労者に選ばれる。2008―9年、『ローマ亡き後の地中海世界』(上・下)を刊行。
posted by 管理人 at 00:00| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 世界史 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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