2010年07月14日

マキアヴェッリ語録 著者/塩野 七生

昨日の続き

《政略論》

君主は、自らの権威を傷つけるおそれのある妥協は、絶対にすべきではない。

たとえそれを耐え抜く自信があったとしても、この種の妥協は絶対にしてはならない。

なぜならほとんど常に、譲歩に譲歩を重ねるよりも、思いきって立ち向かったほうが、たとえ失敗に終わったとしても、はるかに良い結果を生むことになるからである。

もしも、正面衝突を回避したい一心で譲歩策をとったにしても、結局は回避などできないものだからだ。

なにしろ、譲歩に譲歩を重ねたところで相手は満足するわけでもなく、それどころか相手の敵意は、あなたへの敬意を失ったことによって、より露骨になり、より多くを奪ってやろうと思うようになるのがオチなのだ。

また、思慮もない単なる譲歩策によって示されたあなたの弱味は、味方になりえた人々をも失望させ、彼らを冷淡にさせてしまうであろう。

反対に、もしあなたが、相手の真意が明らかになるやただちに準備をし、たとえ力が相手に劣ろうとも反撃に出ていたら、敵といえどもあなたに敬意を払わざるをえなくなるのである。

そして、他の国々も敬意を払うようになり、結果としてあなたは味方を獲得することになる。

ただし、この方策は、敵が一人である場合に限る。もしも敵が多数ならば、正面衝突が始まってしまった後でも敵の誰かに譲歩を与え、戦線離脱をさせるよう計るのが、思慮ある者のとるべき策と信ずる。(P116・P117)

明日へ続く

posted by 管理人 at 00:00| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 世界史 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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