2010年05月28日

フランス生まれ―美食、発明からエレガンスまで 著者/早川 雅水

昨日の続き

いわば宮内庁御用達である。

2年後、船旅用のマル(トランク・行李)を作ろうとのアイディアが彼の頭に浮かぶ。汽車の旅の次には船旅のブームが来ることを予想してのアイディアであり、ここでヴュイットン史上有名な大型トランクが誕生したのだった。

ここまででお分かりのようにヴュイットンのバッグはあくまでも旅行のためのもの。

つまり重量に耐える、雨に濡れてもびくともしない。惜しげもなく地べたに置ける、あくまで堅牢……こうした長所こそがヴュイットンの魅力であり、ファッション性などは二の次、三の次なのである。

以後、天才はアイディアに続くアイディアを生み、運は運を呼ぶ。

1870年代までにヴュイットン氏はスペイン王、エジプトのスルタンをはじめ、ヨーロッパ中の大貴族、大ブルジョワを顧客として獲得し、最初の外国支店をロンドンに開く。

そして1900年のパリ万博ではそれまでの彼の創作に対して金賞が贈られたのであった。

ヴュイットン家の幸せはまだある。

父ルイから子ジョルジュ、孫ガストンと直系の子孫が家業を受け継ぎ、そのいずれもが時代を読むセンスに恵まれ、業績を伸ばし続けたのだが、これは殆んど奇跡に近いラッキーである。

このように19、20と2世紀にわたる繁栄はさらに21世紀に続いていくに違いない。

余談。

その1。

ヴュイットンは日本では女子大生の持つものというイメージが固定しているが、フランスではおよそ学生の持つものではない。

フランスの若者はとにかく堅実で地味。30歳以下で高級ブランド品を持ったり、身につけたりするなどということは絶対に考えられない。

それに反し40代以上のマダムがヴュイットンのボストンを持って朝市やスーパーに出かける姿をよく見かけるが、これは《さま》になる。

明日へ続く

posted by 管理人 at 00:00| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 文化 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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