2010年05月13日

豆腐バカ 世界に挑む 著者/雲田 康夫

昨日の続き

『エリックは豆腐好き』

こんなこともあった。

あるブローカーから「北カリフォルニア最大手のスーパーのバイヤーから、豆腐のサンプルを自宅に送ってほしいと、なんとも興味をそそられる依頼電話があった」と聞き、すぐに営業担当者に対応するように命じた。

以前、そのバイヤーは豆腐などには目もくれず、何度連絡してもなしのつぶてだったのだ。

閉ざされていた門戸がいよいよ開きつつあると感じ、胸が高鳴った。

ビッグ・チェーンへの納入の可能性が出てきたわけだ。

それから2ヵ月が過ぎた。我が社の豆腐に興味を示してくれたバイヤーからはその後なんの連絡もないし、ブローカーからもなんの報告もない。

ちょうどしびれを切らしていた頃に、バイヤーの奥さんから「うちのエリックが豆腐をすごく気に入ったの」という電話があり、またサンプルを催促してきた。

私は内心思った。

“なんてケチん坊のバイヤーだ。自分の家で食べるくらいなら、早くスーパーに置いてくれたらいいのに……”と、口まで出かかったが、将来的な可能性を考えるとサンプルくらいケチケチしてはいられない。

親バカはどこにでもいる。

子供が気に入ったとなると、親の心を捉えたも同然。

バイヤーの息子が我が社の豆腐を気に入ってくれたことはまたとないチャンスではないか。

この大チェーンへの納入が決まれば、1年間の予算数値が達成でき、本社からの愚痴を聞くこともなくなるだろう。

明日へ続く

posted by 管理人 at 00:00| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 文化 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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