2008年08月31日

世界伝説コレクション 著者/山口 智司

昨日の続き

『裸足のランナー アベベ』

1960年のローマオリンピック。トップでスタジアムに戻ってきたマラソン・ランナーの姿を見て、観客はみな驚いた。「あれは誰だ」 ノーマークだったその無名の選手は、エチオピアのアベベ・ビキラ。 ぶっちぎりのトップでゴールし、金メダルを勝ち取った。記録は世界新記録となる2時間15分16・2秒だった。 だが、驚くべきはその記録だけではない。アベベはなんとマラソンシューズを履かず、裸足で走りきったのである。 一躍、英雄になったアベベは、次回の東京オリンピックの出場選手にも選ばれた。日本のシューズメーカーは靴を履くことを勧めたが、アベベはなかなか首を縦に振らない。 「裸足で走る。シューズは要らない」 アベベは祖国エチオピアで、皇帝の警備兵をしていた。マラソンは彼にとってトレーニングの一環に過ぎすず、アベベは標高2400メートルにある高い大地を裸足で駆け抜けていた。木の実や野イチゴを食べながら、100キロメートル走ることも日常だった。そんなアベベにとって、裸足で走ることはいたって自然のことだった。 だが、日本の道はローマと比べ、砂利やガラスがたくさん有り危険だ。シューズメーカーにそう説得されると、アベベは暫く悩んでから、1つだけ注文を出した。 「軽くバネのある靴を」 靴を履いたアベベ。東京オリンピックの直前に虫垂炎の手術というトラブルに見舞われるも、1位でゴール。世界新記録を塗り替え、再度、金メダルの獲得に成功する。 ゴールしたアベベはクールダウンの体操をしながら、平然とした様子で後続たちを見守った。2位以下の選手たちはゴールした瞬間にその場にへたり込んでいく。その実力の差は歴然であった。 アベベは淡々と東京オリンピックをこう振り返ったという。 「あと20キロは同じペースで走れただろう」(P32・P33)

明日へ続く

posted by 管理人 at 07:00| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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